キャンプ瑞慶覧の軍属が酒気帯び運転で現行犯逮捕 - 日米地位協定のほころびは拡大するばかり
こんどは米軍属が飲酒運転を起こす。で、例えばだが、これはどっちの軍属なのか?
2018.5.16 11:33
沖縄県警は16日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、米軍キャンプ瑞慶覧(沖縄県宜野湾市など)の軍属、ラモント・ローレンス・メルトン容疑者(45)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は16日午前2時50分ごろ、宜野湾市の国道58号で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転した疑い。
宜野湾署によると、メルトン容疑者は「酒は抜けていると思った」と供述している。交差点で信号待ちをしていた際、対向車線にいたパトカーの警官から顔をそむけるような挙動があり、その後の呼気検査で発覚した。
日本は米兵や軍属の犯罪をどう位置づけるのか。
憲法改正に躍起になっている日本が、
とほうもなく理不尽な日米地位協定たいしては
それどころか、
あの「うるま市女性殺害事件」以降、
さらなる地位協定の闇が生まれることとなった。
( 1 ) 軍属に関する日米地位協定の特権はそのままに、犯罪被害の補償に関して、米軍はその責任を負わないといい始めた
米、元軍属の賠償負担拒む 沖縄・うるま女性殺害事件 - 沖縄:朝日新聞デジタル
地位協定をかざし、基地内にあるという犯罪の証拠品の捜査をさせなかったいっぽうで、「軍属」だから米軍は遺族への賠償金を支払うつもりはないといいだした。
( 2 ) 米兵が米軍車両で飲酒運転、公務外の事故、と言いつつも、事故車両を基地内に撤収
これは捜査妨害だろ。
ospreyfuanclub.hatenadiary.com
沖縄の米兵が飲酒運転で死亡事故のニュース。驚いたのは、日米地位協定上、米兵が運転していた米軍車両の財産権を持つのは米側として運転していたトラックを回収したことです。事故車両もってかれて満足な捜査ができるのか。日本政府は本気で基地を、日米地位協定を見直すよう米側に働きかけるべきです。
— かばさわ洋平 (@ykabasawa) 2017年11月20日
あまりにも長く放置されてきた日米地位協定。米国が都合よくその軍属に対する責任を切り離す一方で、やはり地位協定は軍属の特権を認め続ける。
沖縄で発生した米軍属による女性暴行殺人事件を契機として、日米両政府は軍属の範囲を明確にする協議に入った。私はてっきり、これでようやく日米地位協定も、軍属は原則として米軍に雇用される者に限るという「国際標準」に合わせられるのだろうと思っていた。だから、最終的に日米が合意した内容を目にしたときは、それこそ愕然とした。
事件の翌年の2017年1月、日米両政府は「日米地位協定の軍属に関する補足協定」に署名した。日本政府は「これまでの運用改善とは一線を画する画期的なものだ」(岸田文雄外務大臣=当時)と自慢してみせたが、地位協定上の軍属の定義を変えないばかりか、何と、米軍の任務遂行に不可欠な専門的技術者など一部の請負業者の従業員を引き続き軍属に含めるという合意だったのである。私は、行政協定締結から65年が経ってもなお、「国際標準」にすらしてもらえないのかと暗澹たる気持ちになった。
元防衛大臣で、現在は小野寺五典防衛大臣の政策参与を務めている森本敏氏が共著本の中で、この交渉について「アメリカ国防総省を相手にした強烈な交渉であったようです」と記している。森本氏によれば、外務省の森健良北米局長らがペンタゴン(国防総省)で交渉している最中、アメリカ側は「君らとこれ以上話したくない」などともの凄い剣幕だったという(森本敏・田原総一朗共著『徹底討論 どうする!? どうなる!?「北朝鮮」問題』海竜社)。
この交渉で日本側がどういう要求をしたのかは不明だが、おそらく、「国際標準」を超えるような無理な要求はしていないだろう。それでも、もの凄い剣幕で怒鳴る(?)のだから、ペンタゴンが日本をどう見ているのかが透けて見えるエピソードである。
しかも、米軍から日本政府に報告された軍属の数は2017年10月時点で7048人と、補足協定締結前(2016年末)の約7300人からほとんど減っていないのである。いったい、何のための補足協定だったのかと思わざるを得ない。
この軍属の問題は、日米地位協定における日本の主権放棄ぶりを象徴している。アメリカ政府は、なぜ遺族への補償を拒否するのか | 時事オピニオン | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス
日米地位協定の改正どころか、日米地位協定のほころびは拡大し、どのように軍属の捜査や処罰がなされていくのか、ますます複雑化し混乱していくばかりだ。
いつになったら日本政府は日米関係の現実に直面できるのか。