嘉手納基地の野放図 - 誰が誤情報を日本側に伝えたのか、一週間後の嘉手納基地の「報告」、そして、ここまで翻弄されても防衛局は「正確なのは米軍の説明」
正体不明の在沖米軍と、それを全力でかばっている日本の防衛局。
- 18日午前5時40分頃 落下物の発覚 防衛局から県へ連絡
- 18日午後9時45分頃 防衛局から第一報「離陸または着陸の際に落下」
- 19日午後1時頃 防衛局から第二報「洋上か管内飛行場内に落下か」
- 21日夕方 県が公表
- 21日夕方7時頃 嘉手納基地内で落下物3.6キロ部品が見つかったと報告
- 25日 米軍18日には既に伊江島補助飛行場で落下物発見と報告、は !?
さて、今月18日におこった嘉手納所属の特殊作戦機 MC130J の落下物騒ぎ。先日までの経過はこうであった。
18日午前5時40分頃 落下物の発覚 防衛局から県へ連絡
18日午前5時40分ごろ、同機が嘉手納基地に着陸後、機体の点検中に部品がないことが発覚した。
18日午後9時45分頃 防衛局から第一報「離陸または着陸の際に落下」
防衛局からメールで、在日米大使館からの「不確定情報」として「離陸または着陸の際に部品が落下した」との情報
19日午後1時頃 防衛局から第二報「洋上か管内飛行場内に落下か」
防衛局からメールで、同大使館の追加情報として「落下物は洋上または米軍管理の飛行場内に落下した可能性が最も高い」と報告を受けたという。
21日夕方 県が公表
県が報道機関を通じて公表したのは、21日夕方になってからだった。
21日夕方7時頃 嘉手納基地内で落下物3.6キロ部品が見つかったと報告
防衛局、落下物、重さ約3.6キロの部品が21日午後7時までに米軍嘉手納基地内で見つかったと報告
以上はこちらのまとめから。
ospreyfuanclub.hatenadiary.com
ところが、一転、
今日の報道では、つるりと、こういう報告が出てくるのが在沖米軍である。
25日 米軍18日には既に伊江島補助飛行場で落下物発見と報告、は !?
笑う。
では、沖縄県が落下物事故を報道陣に公表する時刻、ちょうどあわせたかのように、21日の夕刻に嘉手納で発見されたという落下物は「なに」だったのか !?
今朝の沖縄タイムス朝刊を読んでみよう。
米軍の落下部品 伊江島の米軍施設内で発見 重さ当初3.6キロを0.5キロに修正
2019年10月26日 09:10
米軍嘉手納基地を拠点とする米空軍のMC130J特殊作戦機からの部品落下事故で、
❶ 沖縄防衛局は25日、米軍からの情報として、部品が事故当日の18日に米軍伊江島補助飛行場内で発見されていたと県に連絡した。
❷ 防衛局は当初、不確定情報として部品の重さを約3・6キロとしていたが、実際には0・5キロだった。米軍は事故原因を調査中で、事故を起こした機体は現在飛行していないという。
事故後に米軍からの正式な発表がなく、日本政府内では嘉手納基地内で発見されたとの情報があったが、実際には伊江島の基地内だった。
玉城デニー知事は25日の定例会見で事故から7日間、米軍から情報がなかったことについて「米軍の事件事故が発生した際の日米の通報手続きの運用が、極めて不適切だ」と不快感を示した。県は週明けに米軍への抗議を予定している。
防衛局によると、機体は米空軍第353特殊作戦群の所属機。18日に嘉手納と伊江島でタッチ・アンド・ゴー訓練をしていた。飛行後の点検で、離着陸の際に使用する車輪と機体をつなぐ「主脚」関連の部品「トルク管(トルクチューブ)」とバネの欠損が確認された。この部品は離着陸のいずれかで、海上か米軍の飛行場内に落下した可能性が高いと予測されていた。重さ約0・5キロ、縦約134センチ、直径約3センチ。防衛局は当初、落下したのはトルク管で重さ約3・6キロ、縦約90センチ、横約7・5センチとしていた。
❸ 防衛局は沖縄タイムスの取材に対し、当初の情報と米軍の説明が異なる理由について「(事故後の情報は)米大使館からの不確定情報として県に伝えていた。正確なのは米軍の説明だ」と回答。事故後に米軍からの情報提供が遅れたことについては「現在、米側に確認中」とした。
この記事を読んだだけでも、米軍がいかに虚偽と怠慢と地元沖縄と防衛局への侮蔑に満ちた対応をしているかが明らかであろう。
まず、明確にしておこう。
ここまでの情報はどこからもたらされたものか。
これらの (虚偽) 情報は、在日米大使館から防衛局にもたらされたものであるが、それでは在日米大使館が勝手に推測した妄想なのか。
否、情報のルートはこうである。
米空軍嘉手納基地 ⇨ 在日米大使館 ⇨ 防衛局 ⇨ 沖縄県基地対策課
ところが、七日後の今日になって防衛局が我々に伝える情報では、
❶ 21日までに ⇨ 18日の時点で
❷ 3.6kg の部品が ⇨ 0.5kg の部品
❸ 嘉手納基地 ⇨ 伊江島飛行場で
というのである。
これがもし正しい情報だとすれば、
在日米空軍が18日の時点で発見していたはずの情報を、在日米軍から連絡を受けたはずの在日米大使館が、なぜ今日に至るまで不確実な情報として日本側に伝えたのかという
外交問題にすら発展する。
違うかね。
そのうえで、それでも、防衛局はこう発言している。
日本の防衛局は全力で米軍を防衛する局である。
正確なのは米軍の説明
は !?
これら、
すべての情報源は在沖米軍のはずだ。
もし在沖米軍が、落下物がその日のうちに伊江島で発見されたと主張するなら、この一週間の混乱はなかったはずである。
それでも米軍の説明が正確というのなら、この一週間、発見された落下物についての自明のファクトを在日米大使館が何度も誤って日本側に伝えたことになるという訳だ。
誤った情報を出し続けたのは、
いったい誰なのか。
みなさんは覚えているだろうか。
2016年の名護市オスプレイ墜落事故について、
どれだけ米軍が出してきた情報がウソ報告であったか、9か月後の米軍報告は、ほとんどがノリ弁文書であり、かつ、事件後、我々が9ヶ月間も米軍の虚偽報告を信じさせられていたことを日のもとにさらした。
・12月14日のニコルソン発表は 30キロ東
・年が明けるとなぜか74キロ先の「ホテルホテル」訓練空域になっていた
・翌年九月の報告書では訓練空域外の与論島沖での空中給油だと
明白な虚偽報告だけでもこれだけある。後にもこまごま。
❶ 「不時着」だ → 当初は Crash 「墜落」と手書き連絡
❷ 名護市安部から 30キロ東 → 74キロ東の訓練空域「ホテルホテル」→ 訓練区域外の与論島沖15キロ先
❸ 空中給油事故は初めて → 二例目
❹ 名護市と表記せず東村から約3.7キロと表記
❺ いまだに操縦士の名前も不明のまま起訴
そんな米軍が、落としてないと主張し続ける、宜野湾の保育園落下物事件。
そんな米軍が、
また今回も摩訶不思議な迷宮を繰り広げている。
在沖米軍の報告に
またも虚偽はないか。
しっかりと確認を続ける必要がある。
で !? 嘉手納で発見した「モノ」とは何だったのかね。