在日米軍と日本企業 米海軍と関東砿産のファットな関係 ~ 国民が基地問題に目を向けない限り、日米同盟はこの国の最大の利権事業であり続ける。

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米海軍の艦船の廃水が日本の海に流されていた。

10年間もその問題は隠蔽されていた。

 

ところが、日本が当事者の記事だというのに、共同通信のこんな小さな記事では何もわからない。

 

日本の請負業者とは、何のどこの業者なんだか。どんな廃水をどこに投棄したのか。

 

米軍艦船廃水、不法投棄か 3県の港、日本の請負業者

共同通信

2019/12/03 07:34

 【ワシントン共同】米紙ウォールストリート・ジャーナルは2日、米海軍と契約する日本の請負業者が海軍艦船から出る廃水を処理せず、第7艦隊が拠点を置く神奈川県横須賀市のほか長崎県佐世保市沖縄県の港で不法投棄した可能性があると報じた。米政府当局が捜査しているとしている。

 

 同紙によると、捜査を受けているのは横浜市に本社がある廃水処理業者で、沖縄でも米軍の業務を請け負っている。2008年以降、不法に廃水を流し、事実を隠蔽した疑いが持たれており、海軍当局が18年3月に捜査を開始。その後、司法省と連邦捜査局(FBI)が加わった。

 

もとの Wall Street Journal も契約者限定の有料記事なので、この先は、お金以外の、どんな魔法を使っても読むことができない。

 

U.S. Navy Contractor Probed for Possibly Dumping Waste in Japanese Ports - WSJ

Dec. 1, 2019 9:00 am ET

A Japanese contractor is under investigation by U.S. federal authorities for possibly dumping wastewater from American warships into Japanese harbors, in a case that shows the U.S. Navy’s ongoing struggles in overseeing its contractors.

The Justice Department, the Federal Bureau of Investigation and the Navy are looking into whether Kanto Kosan Co. pumped waste into three Japanese ports since 2008 and then covered it up in violation of contracts, and into whether Navy staff in Japan ignored complaints about it, ...

 

ここから先が大事なのに !!!

 

と、おもったら、

 

さっそく、県民の友、琉球新報が、該当する Wall Street Journal の日本語版記事をだしてくれた。

 

もう、りゅうちゃん、

最高だよ !

 

米海軍の請負業者、日本の港で廃水を不法投棄か

琉球新報

2019年12月3日 14:00

ウォール・ストリート・ジャーナル WSJ

By Gordon Lubold and Alastair Gale
2019 年 12 月 2 日 09:27 JST

 

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佐世保港で米第七艦隊の艦船横に停泊する関東砿産の排水処理バージ船(9月) PHOTO: ALASTAIR GALE/THE WALL STREET JOURNAL

 

 【佐世保】米艦船の廃水を日本の港で不法排出していた疑いで、日本の請負業者が米連邦当局の調査を受けている。これは、米海軍が請負業者の監督に苦慮していることを示す一例だ。

 

 米海軍当局者らによれば、司法省と連邦捜査局(FBI)、そして海軍は、

【ポイント1】関東砿産2008年から日本の3つの港契約に反し廃水を不法投棄し、その事実を隠蔽している疑いについて調査している。また、

【ポイント2】海軍の関係者が、告発を無視している可能性についても調査しているという。

こうした捜査は、これまで公になっていなかった。

 

 関東砿産の元従業員3人ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、同社が少なくとも過去10年にわたり、廃水を契約通りに処理せず、記録などを改ざんしていたと語った。

これは日米の法律に触れる犯罪行為となる可能性がある。海軍のある職員は、不正の疑いについて過去数年間に10回ほど上官に注意を促したWSJに語った。

 

 関東砿産は、不正行為を否定。米海軍との契約を危うくするような行為は決してしないとしている。

 

 米政府のデータによると、海軍と同社の契約額は、捜査対象となっている2008年以降で1億ドル(約109億5000万円)を超える。海軍は現在も同社と取引を継続しており、直近では今秋に一部契約を更新している。

 

 米海軍は、さまざまな階級を巻き込む大規模不正事件となった「ファット・レオナルド」事件の後、請負契約をめぐる不正の一掃に向け広範な対策を講じてきた。請負業者のレナオナルド・グレン・フランシスのニックネームが事件名になった同事件では、業者が水増し請求で数百万ドルの不正利益を得ていた。この事件に関係して多くの海軍将校が職を失い、軍の士気も損なわれた。

 

 米海軍のクレイトン・ドス報道官は、海軍犯罪捜査局(NCIS)が司法省やFBI、日本の当局と協力して関東砿産の捜査を行っていると述べた。NCISは2018年3月に捜査を開始し、その後、他の当局が加わったという。同報道官はそれ以上の詳細の公表を差し控えた。

 

 司法省とFBIにコメントを要請したが、回答はなかった。海洋汚染を監視する任務を負う日本の海上保安庁はコメントを差し控えた。捜査で不正が明らかになれば、日米両国が同盟関係を中国の膨張に対する防波堤として捉えつつあるなか、両国間の緊張が高まる公算が大きい。

 

 米軍は、第2次世界大戦後に日本が軍事占領下に置かれたとき以降、日本で大きなプレゼンスを維持している。基地所在地域との関係、航空機の騒音や米兵による犯罪は、時に反感を生じさせたり、市民による抗議のきっかけになったりしてきた。米国は地域社会への影響を軽減するため、沖縄の住宅地に囲まれている基地をより住宅の少ない場所に移設しようとしている。

 

 関東砿産は、第7艦隊が拠点とする横須賀のほか、佐世保沖縄で米軍の艦船にサービスを提供している。

 

 関東砿産の元従業員によると、同社のはしけ(バージ)は、サービスを受ける艦船の横に停泊し、汚水や油、船内に溜まったその他の液体などの廃水をホースでくみ上げる。くみ上げられた水は、一連のフィルターでろ過してから海に戻される。

 

 海軍の職員によると、空母ロナルド・レーガンに乗船する水兵は昨年12月、横須賀で関東砿産のバージが廃水をくみ上げている際、緑色の油膜が漏れ出ていることに気付いた。職員はこの懸念について報告した。この職員によると、漏れ出ていた液体は凍結防止剤だった。海軍はこの件に関するコメントを差し控えた。

 

 関東砿産の責任者は、空母ロナルド・レーガンでの作業に従事する際、何らかの物質が港湾に流出したことを否定するとともに、同社は引き続き同空母での作業を行っていると語った。

 

 同社によると、米海軍での廃水処理は同社の廃水処理事業の60%以上を占めており、残りは日本の自衛隊および民間の船舶での事業となっている。同社はまた、廃水から再処理した油分を販売している。

 

 米海軍報道官によれば、同社は現在、海軍兵站(へいたん)センターを通じて海軍との間で8件の有効な契約(総額約780万ドル)があり、一部契約は今秋に更新された。

 

 日本における米軍の戦艦向け廃水処理およびその他作業に関する契約は、艦隊兵站センターを含む海軍内の幾つかの部署が認可している。ある海軍当局者によれば、海軍の契約担当者らは必ずしも調査を把握していない可能性があり、契約更新に関する決定の要因となっていなかったとみられる。

 

 関東砿産の元従業員の1人がWSJ紙に語ったところによれば、廃水処理用バージのスタッフは米軍管轄域内で周辺に人がほとんどいない時、処理した廃水の一部をホースから海に廃棄することがあったという。

 

 同社が艦船から取り出して浄化したとする水は毎月、分析のため研究所に送られ、その結果が海軍に伝えられる。元従業員によると、確実に良い結果が出るよう、処理後の廃水の代わりに水道水を送付することもあったという。

 「もちろん、飲むことができる」とその元従業員は語った。

 一方、関東砿産の責任者はこの告発を否定。「そんなことをしたらとっくに基地から締め出されている」と語った。
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海外の記事は、日本の新聞記事より長文だ。そして中身がしっかり詰まって情報が多い。こうやって日本語に訳されると、それがよくわかるだろう。

 

以上が、ウォールストリートジャーナルから出た記事である。

 

在沖米軍はまるで腐った植民地軍さながらの体たらくだが、それは、日本政府の追従姿勢が在沖米軍を腐らせる最大要因であることを忘れてはいけない。

 

そういう意味において、米軍と日本政府の二重の抑圧により維持されている在沖米軍の情況は、おぞましいほどに不健全であり、ゆえに、どうしようもなく不幸で救いがたい現状を作りあげている。

 

在沖米軍の運営は、

アメリカ軍の中でも「異常」なのだ。

 

たとえば、この事件の捜査を見てみよう。これを率いるのが、あの NCIS (米海軍犯罪捜査局)

 

今回の事件を、第二のファット・レオナルド・スキャンダル、日本版ファット・レオナルドとして NCIS が捜査を開始したということがわかる。さすがである。

 

Fat Leonard Scandal: 海軍史上最大の汚職事件とも呼ばれている「太ったレオナルド(Fat Loenard)」汚職事件。マレーシアの建設業者が米軍の契約を確保、あるいは継続するため、米海軍の将官たちを接待し、賄賂を提供、レオナルドは総額で3500万ドル(約38億円)の契約に関わった事件。この海軍スキャンダルで数百名の米海軍関係者、将官が捜査され、処分を受けたが、大部分は不起訴になったという。

Navy’s ‘Fat Leonard’ case implodes

 

 

さて、今回の事件の捜査対象、日本の委託業者とは、

関東砿産であった。

 

Wall Street Journal は、現在この企業が二つの点で捜査されていることを指摘している。

 

【ポイント1】関東砿産が2008年から日本の3つの港 (横須賀、佐世保、沖縄) で廃水を不法投棄し、その事実を隠蔽している可能性
【ポイント2】海軍の関係者が、以前からの告発を無視している可能性

 

癒着の匂いぷんぷんですな。

明らかに、ポイント2の、海軍も10年間黙認してきたことが NCIS の捜査で明らかにされている。。

 

関東砿産の責任者は告発を否定し、「我々は長期にわたり米海軍と契約をしてきた」とし「会社の名を汚して業務が途切れるようなことをするはずがない」と反論しているというが、

「米海軍艦の汚染水を海に捨てた」…FBI、日本の廃水処理会社を調査 - ライブドアニュース

 

ファット・レオナルドは、地元業者の長期契約のためにファット (もうけ役) なことをしていた。

 

関東砿産が米軍と永年契約をしてきたことが、清廉潔白な契約と誠実な業務の根拠として通用するわけもない。お笑いである。

 

どれぐらい長期にわたり関東砿産が米海軍と契約をしてきたか、ざっと沿革を見てみよう。

 

関東砿産

昭和57年 3月 米軍の横須賀、佐世保、横田、座間及び三沢基地における作業に従事する事を許可される。

昭和58年 8月 米海軍空母用油水分離装置バージ関東1号(1,000t)による含油廃水処理業務開始。

昭和62年 4月 業務拡張に伴い増資を行う。資本金3,200万円。

平成09年 6月 油水分離装置搭載、含油廃水回収処理バージ関東2号(1,100t)就航。

平成19年 6月 米海軍佐世保基地内において含油廃水処理業務開始。

平成21年 9月 米海軍佐世保基地内において生活排水処理業務開始。

 

これからの捜査が、日本企業と米軍の癒着を少しでも明らかにする突破口になることを期待したい。

 

そして、むしろ感心するのはこうした捜査を開始し、しっかりと形にできる、米海軍犯罪捜査局 NCIS の存在である。近年、話題になっている米軍内の性犯罪なども NCIS が多く手がけてきたものである。

 

いったい日本に NCIS に匹敵するほどの軍関連犯罪捜査機関があるだろうか。

 

戦前と同じ、

秘密主義と隠蔽体質。

 

例えばこれは、

日本の部署がどう「捜査」してくれるのか、

 

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投入土砂は黄金の土砂だった ! 値が付かないほど粗悪な土砂を「岩ズリ」と称し、岩ズリの四倍の価格で大林組 JV と契約 - 基地建設で潤うのは基地から最も遠い者たちだ ! - Osprey Fuan Club

 

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辺野古の利権マッピング - 基地問題を利用した壮大な利権ビジネス、税金バラマキプロジェクトだった、納得ですね - Voices from Okinawa

 

戦前と同じ、

全部やりたい放題じゃないか。

 

国民が基地問題に目を向けない限り、

 

日米同盟はこの国の最大の利権事業であり続ける。