【火薬庫から持ち出された実弾】 なぜ警察ではなく空自が「実弾所持」自衛官を「監視下」に置いているのか ~ あまりに怪しい事件のなぞ
沖縄の空自与座岳分屯基地の火薬庫から実弾が持ち出された。由々しき不祥事だが、これ大きく報道されているのだろうか。
最近、自衛官の事件が多発しているのだが、これはかなり根の深そうな、不可解な事件である。
2月1日、実弾所持の自衛官はなぜ現行犯逮捕されなかったのか
通常は、空港でカバンの中から実弾が出てくれば、火薬類取締法違反で現行犯逮捕となる。
在日米軍の兵士でさえ、その点に関して特別扱いされることはない。
ところが豊見城署の警察はこの実弾所持自衛官を逮捕しなかった。いったいどんな「特別」が働いたのか。
実弾を所持しながら逮捕しないとはどういうことか。
2020年2月3日 10:10
航空自衛隊那覇基地は2日、与座岳分屯基地(糸満市)の南西航空警戒管制団第56警戒群に所属する20代の空士が那覇空港で拳銃実弾を所持しているところを発見され、豊見城署から事情聴取を受けたと発表した。同基地で火薬庫を点検した結果、9ミリ拳銃弾1発が紛失していることも判明。代わりに模造された弾頭が詰められた使用済みの弾が混入していたという。
豊見城署は隊員を逮捕せずに弾を押収。銃刀法違反容疑で捜査をしている。
空自は隊員の性別、階級、聴取内容などは「調査中」として明かしていない。空自によると、隊員は1日午前11時40分ごろ、休暇で帰省するために那覇空港を訪れた。その際、手荷物検査でバッグの中から実弾が発見された。隊員は射撃訓練をしているが、同基地内には訓練場はない。現段階では隊員が所持していた実弾と同基地で紛失した弾の関連性は不明として、調査を進めている。
空自那覇基地の稲月秀正司令は「本事案が発生したことは誠に遺憾だ。同種事案が発生しないように注意指導を行っていく」とコメントした
警察が逮捕するのは、犯罪の証拠を保全するため、そして身柄を確保してその人物の安全を守るという意味もある。
あまりに不可解な事件であるがゆえに、とくにこの自衛官の身柄は守られなければならない。
にもかかわらず逮捕しないで、実弾押収したまま帰すとは、いったいどういうことだろうか。
もし何かあれば、いったいこの自衛官の身柄をどのように守るのか。
まさかこのまま事件は捜査されることもなく葬られるのではないか。
自衛官、那覇空港で実弾所持か 基地火薬庫の実弾紛失、代わりに模造弾
2020年2月3日 07:50
航空自衛隊与座岳分屯基地所属の20代の自衛官(空士)が、帰省のため1日に那覇空港から搭乗しようと手荷物検査を受けた際、バッグの中から拳銃の実弾らしき1発が見つかっていたことが2日分かった。空自が基地内の火薬庫を調べたところ、実弾1発が紛失しており、代わりに使用済みの薬きょうや弾頭で模造したとみられる1発が混入していた。豊見城署や空自が自衛官から事情を聴いている。
航空自衛隊那覇基地によると、火薬庫から紛失していたのは9ミリの実弾。火薬庫には、点検時などに特定の人だけが立ち入りできるという。
自衛官は現在、空自の監視下にあるとみられる。空港で見つかった実弾らしきものと紛失した実弾が同一かどうかや、模造弾の混入に自衛官が関わっているかどうかについて、署や空自が調べている。
署は銃刀法違反などを視野に捜査を進めており、自衛官の認否などは捜査に支障があるとして明らかにしていない。
つまり、警察はこの自衛官を逮捕せずに空自に引き渡したということだろう。
このようなことがあっていいのか。
自衛隊基地から実弾が持ち出されたという由々しき事件に関わった、あるいは巻き込まれた自衛官は、事件の重要な証人でもある。その人物をそのまま自衛隊に引き渡す、とか、いったいどういうことなのか。
身柄の安全は保障できるのか。
捜査はちゃんとおこなわれるのか。
まさか闇から闇に封じ込めたのではないか。
今後の報道を見守りたい。