2018年5月4日、再び嘉手納基地で大量の泡消火剤放出 ~ 繰り返される漏出事故の背景、そして本土メディアの報道は !?

 

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米軍嘉手納基地内で風にあおられ舞い上がった消化剤とみられる白い泡=2018年5月4日午後0時20分ごろ。沖縄タイムス

 

嘉手納で大量の泡 また消火剤を垂れ流し

 

また嘉手納基地だ !

無責任米軍が何度も同じことをくりかえす。

 

そしてなんらの報告もない。

 

嘉手納基地で大量の泡 消火剤か

琉球新報 2018年5月4日

【嘉手納】嘉手納町水釜近くの米軍嘉手納基地内4日午後0時半頃、消火剤とみられる白い泡が大量に目撃された。

 目撃者によるとフェンスの約200メートル内側で、消火剤とみられる泡が確認された。風に吹かれて周辺に舞い上がっていたという。泡は正午頃から現れはじめ、米軍の作業員が回収するまで約2時間程度、確認できたという。

 泡は高さ5メートルにも達しているように見えたという。パトカー数台が出動し、交通規制が行われていた。

 炎などは確認されていない。基地内で何らかのトラブルがあり、消火剤がもれた可能性があるとみられる。【琉球新報電子版】

 

同様の「事故」は、2015年にも起こった。

酔っ払った米兵が面白半分で泡消火剤を噴出させた。だから正確には「事故」ではなく「事件」である。

 

ospreyfuanclub.hatenadiary.com

 

酒に酔った米兵が海兵隊員が悪戯で泡状の消火剤のスイッチを押す。大量の消火剤の泡が隣接する民間地まで押し寄せた。しかも、無害だといっていた米軍は、その後、ジョン・ミッチェル氏の資料開示請求によって発がん性物質を含むことが分かった。

 

もちろん、それでも日本側に通告などしてはいない。

  

防衛省、有害物質の有無については言及せず - 嘉手納基地の消火剤噴出するも、「周囲に影響なし」と伝える本土メディア

 

ところが、これを本土のメディアが報じると、「周囲に影響なし」と報じられる。

 

日テレニュース「周囲に影響なし」とは、どういう意味だったのか、

 

7割以上もの米軍基地を沖縄に押し付け、本土メディアが米軍基地問題から目を背けているうちに、愕然とするばかりの浅い知識と認識でしか米軍基地の事件を報道できないという、

 

これは明らかに本土メディアのメディアとしての信じがたいほどの劣化を示しているのではないか。

 

「周囲 (の道路) に影響なし」 !?

 

消火剤流出の、何において「周囲に影響なし」なのか。

 

沖縄県民なら、まず消火剤流出で懸念するのは「環境的に」周囲に影響があるかないかという問題だ。

 

しかし、この記事が語る「周囲に影響はなし」は、環境のことを語っているのではない。

 

ぜひ、ご覧いただきたい。

 

嘉手納基地に大量の泡が溢れ出る 消火剤が噴出するも周囲に影響なし

ライブドアニュース

4日正午すぎ、沖縄県在日アメリカ軍・嘉手納基地に大量の泡があふれ出た。防衛省沖縄防衛局によると、4日正午すぎ、「国道に泡が飛んできた」と近くにいた人から連絡があったという。

周囲の道路の通行などへの影響は報告されていない

在日アメリカ軍は、「驚かせたなら大変申し訳ない」「整備用格納庫の消火設備から予定外に泡消化剤が噴出し、ドアが開いていたため、外部に大量に流出してしまった」と述べているという。

また、この泡消火剤はほぼ水分から成り、すぐに気化するということだが、触れた場合は念のため水で洗い流すよう呼び掛けている。

 

なんという的外れ !

 

この記事のタイトル「消火剤が噴出するも周囲に影響なし」とは、周囲の道路の通行に関して渋滞などがなかったという意味だったのだ。

 

沖縄にとって、米軍基地消火剤流出の「何が問題なのか」、なぜ本土メディア人は理解できない?

 

明らかにこの記事は米軍の代弁者である防衛局の報告、そのままを記事に書いただけで、しかも防衛局は、用心深く事件の「核心」は切り抜きして語っている。

 

泡消火剤が「ほぼ水分から成っている」ことなど誰でも知っている。しかし問題なのは、その泡消火剤に、指定有害物質が含まれていたかどうか、だ。

 

その点が、用心深く述べられていない。「有害」とも書かれてなければ「無害」とも書かれていない。

 

消火剤の何が問題なのか。

何が問題となっているのか。

 

米軍基地の消火剤流出がなぜ問題になっているのか

 

① 有害指定されている化学物質が使用されている。
② 有害物質の流出を報告していない。
③ 有害物質の回収措置をとっていない。
④ 基地周辺の水質土壌汚染の責任を回避している。

 

酔った米兵が誤噴射…消火剤に発がん性物質も 嘉手納で昨年、通報なし

沖縄タイムス+プラス
2016年2月15日 09:48

 沖縄県米軍嘉手納基地内で2001年以降、泡消火装置の誤作動や民間地域への流出が相次いでいることが、英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏による情報公開請求で分かった。昨年5月には発がん性物質が流出したが、日本側には通報されなかった。

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格納庫から流出した泡消火剤で地面と車が覆われた。情報公開制度で入手した写真=2013年12月4日、嘉手納基地(ジョン・ミッチェル氏提供)

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排水溝に流れる泡消火剤。情報公開制度で入手した写真=2013年12月4日、嘉手納基地(ジョン・ミッチェル氏提供)

 

■ 民間地に流出も日本側に通報せず

 

 米軍嘉手納基地で昨年5月、発がん性物質を含む泡消火剤が民間地に流出していたことが分かった。原因は酒に酔った海兵隊員が、格納庫内の消火装置を起動したことだった。ジョン・ミッチェル氏が情報公開制度で内部文書を入手した。

 消火剤は「JET-X2・75%」と呼ばれるタイプで、がんのほか神経や生殖機能の障がいをもたらす可能性がある。1500リットルが誤噴射され一部は基地外にも流出したが、日本側には通報しなかった。

 米軍は当初、消火剤を無害だと誤認。流出が夜間だったため「消火剤は朝までに散ってしまい、大勢の注意を引くことはない」と書いた電子メールもあった。一方、海兵隊員の行動は「蛮行」と非難していた。

 同じ消火剤の誤噴射は他に少なくとも4回あり、やはり日本側に通報しない事例があった。嘉手納基地周辺の水源で検出され問題化している残留性有機汚染物質の有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)はこの消火剤には含まれていない。違うタイプの消火剤は2001年、12、13、14年に計2万リットルが誤噴射され、PFOSを含む可能性もある。

 ミッチェル氏は内部文書に基づき英字紙「ジャパンタイムズ」に記事を寄せた。「米軍の安全管理には大きな問題がある。環境補足協定に基づき県の立ち入り調査に協力し、水源汚染の可能性について真実を明らかにすべきだ」と指摘した。

  

燃料・消火剤・汚水など漏出13件/米軍嘉手納基地 水源汚す/10年度以降

2016年4月25日(月)
赤嶺議員に政府答弁書

 米軍嘉手納基地で燃料や泡消火剤、汚水などが漏出したとして、米軍から日本政府に2010年度以降の6年間で13件の通報があったことが、日本共産党赤嶺政賢衆院議員が提出した質問主意書に対する政府答弁書(19日閣議決定)で明らかになりました。

 米軍嘉手納基地周辺の河川や地下水を水源とし、沖縄本島中南部の7市町村を供給先とする北谷浄水場で、高濃度の残留性有機汚染物質PFOSが検出されています。県民が口にする飲料水が日常的に汚染の危険にさらされている実態が明らかになりました。

 内訳は、燃料が8件、泡消火剤2件、汚水2件、油圧オイル1件。泡消火剤は、11年1月と14年4月に風により基地外に飛散。国内での使用が原則禁止されているPFOSが含まれているかは、いずれも「不明」としています。飛散した消火剤は「自然消滅」したとしており、回収措置をとっていないことは国内法の基準に反する可能性があります。

 ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で入手した米軍資料では、10~14年に同基地で計206件漏出したとされており(11日付地元紙)、ほとんどが日本側に通報されていない可能性があります。

 米軍が泡消火剤に加え、航空機や部品などの洗浄剤や作動油にPFOSを使用している可能性も指摘されていますが、これらの用途への例外使用は国内法上認められていないことを確認しています。

 

そして第五の懸念にも触れておきたい。

⑤ 消火剤噴出は「事故」でなく「事件」ではないのか

 

地元沖縄では限られた情報しか提供されず、真剣な環境問題となっている一方で、なんと、米軍兵士のグループサイトではフォームパーティーなどといって雪の降らない沖縄で泡を楽しんでいるかのような楽しいコメントとお笑いアイコンであふれる。

 

なんと、5月3日 (木) に投稿され5月6日の朝には、シェア1,753件、動画は20万回も再生されている。

 

⇩ここをクリック

KadenaAirBase - Air Force amn/nco/snco

 

Okinawa: Video from Facebook group - Air Force amn/nco/snco - seems to show yesterday’s mass release of fire-fighting foam at Kadena Air Base.

Full: https://t.co/nBRHTDfA83 #嘉手納基地 #消火剤 #日米地位協定と基地公害 pic.twitter.com/nuXwpQEIEA

— Jon Mitchell / ジョン ミッチェル (@jonmitchell_jp) 2018年5月5日   

 

すぐにこうしたGIF画像も作られる ⇩

https://media2.giphy.com/media/101FpUfWiGZFVm/giphy.gif

 

奇妙ではないか、初期の噴射の時点で、泡放出を停止もせず、このような動画がとられ、興奮をもって米軍兵士のグループサイトで面白半分に拡散されていく。

 

2015年の消火剤噴出は、米軍側が「蛮行」と呼んでいることからも、明らかにふざけた悪戯からおこった流出だった。しかもその消火剤には「がんのほか神経や生殖機能の障がいをもたらす可能性」のある化学物質が含まれていたことが、情報公開請求でやっと次年度に判明するというありさまだ。責任の所在はどこにある?

 

そんな悪戯もふくめて、数年にわたり二万リットルを超える消火剤が流出しているのだ。

 

今回はどうだったのか、今だ報告はない。

 

本土メディアよ、

 

これでも、嘉手納基地の消火剤流出事件は、「周囲に影響なし」なのか。

 

本土メディアは、しっかりと日米安保と沖縄を報道する意識と知識と心とを持ってほしい。

 

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